2019年2月8日金曜日

【読書】仲村清司・藤井誠二・普久原朝充『沖縄 オトナの社会見学 R18』

仲村清司・藤井誠二・普久原朝充『沖縄 オトナの社会見学 R18』(亜紀書房、2016年)

 沖縄の各地を歩きながらその地域の文化や歴史や食べ物処が紹介された一冊。この本を開きながら各地をゆっくりまち歩きしたくなりました。
 ミロク大社ってなんだ⁉︎って感じでした。今度行こう。
 金武の久松食堂のチーイリチャーや、那覇の松山にある牛汁そばが食べられる松など行ってみたいお店がたんまりと紹介されていました。宜野湾編のサクラとCINDYにも行ってみたいです。
 あと、首里劇場、気になります。いまは珍しい木造の映画館らしく内部を見学してみたいです(上映会している映画を観たいとは言ってません‼︎)。

---
仲村清司氏のあとがきより(pp.314-5)
 僻論といわれるかもしれないが、生まれたての街にいい貌はない。それどころか新しい街はどこもかしこも画一化が進み、いまや歩道の図柄までもが同じ模様になっている。
 つまるところ、街をいい貌にするには時の流れという歴史に磨きをかけ、それを加えてそこに住まう人の景観の保存という不断の努力も必要になるということだろう。
 内地と異なる途方もない固有の文化を持つ沖縄も止まることのない再開発によってどんどん貌を失いつつある。とりわけ那覇を含む周辺部は有史以来のスピードで街の造り替えがおこなわれ、土地としての生態系が変わってしまった。もはや変化という表現も生ぬるいかもしれない。
 本文に登場した那覇市開南地区の農連市場も取り壊しが決定した。僕らが国際通りの真裏の迷宮と呼んだナイクブ古墳群も大半がブルドーザーによって削り取られてしまっている。
 太古以来人々の暮らしの糧となった碧い海も自然のビーチが失せてしまうほど埋め立てられ、辺野古では豊穣の海が新基地にされようとしている。
 そうしていつしか僕たちは、この野放図な破壊が終わることを願うことなしに、島の山川草木を正視することができなくなっていた。
 そんな風景や景観を慈しむように僕たちは歩いた。そして歩を進めながら互いの関心分野を共有し、さらに止揚していった。
 そこで得た結論は、街というものはそこに暮らす人のものでありながら、よその人間でないと見いだせない魅力や価値もあるということだった。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
沖縄 オトナの社会見学 R18 [ 仲村清司 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/2/8時点)